『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか(ブルーバックス)』を Kindle版で購入したところまでは書きました。
筆者のホームページ「百珈苑」は知らなかった
こちらが「はじめに」で紹介されている筆者、旦部 幸博さんのホームページ。
いかにも 1996年頃に作成し、公開し続けてきたと感じるレイアウト。
ここ 2年でコーヒーに関する様々なサイトをチェックしてきましたが、この「百珈苑」は今回、初めてアクセスしたと思います。
内容的には『コーヒーの科学』の元ネタですが、本に書かれていない内容もあるし、本を読んだ後の「おさらい」にもなりそう。
また、ブログも公開されているようですが、最近はあまり更新されておらず、本の出版前後に連続投稿されています。
『コーヒーの科学』の各章も簡単に紹介しており、そういう意図で書いたのね、といったことが分かります。
知らない化学物質の名前がいっぱい
まずは本をひと通り読みましたが、とても一度では消化できない情報量でビックリ。特に「成分」について化学物質名がポンポンと飛び出して面食らいます。
たとえばコーヒーの苦み成分について
クロロゲン酸とカフェー酸の加熱物から、それぞれ「クロロゲン酸ラクトン類」と「ビニルカテコール・オリゴマー」という新しい二つの苦味物質のグループを発見し、これがコーヒーの苦味の中心を担うものだと報告しました。
– 苦味の主役を探せ(第5章 おいしさを生み出すコーヒーの成分)
と知的好奇心を満たしてくれますが、どうにも物質名は頭に入ってきません。
もちろん成分名よりも
『コーヒー独特の苦味はカフェインが中心ではなく、その具体的な成分も分かっている』
という事実を知ったことが大切なのでしょう。
コーヒーならではの「苦味」だけでなく「コク」や「酸味」「香り」「甘さ」についても、それぞれ成分や、それにまつわる考察に読みごたえがあります。
最初に読んで「消化不良」と感じた章は何度か読み直すつもりです。そういう面でも Kindle版にして正解でした。
多くのモヤモヤに根拠のある回答が
とにかく私がコーヒーに関して日頃から疑問に思っていることの多くに具体的な回答を与えてくれました。
- コーヒーで感じる「甘さ」って一体どこからくるの?
- 「コク」は分かるんだけど具体的にうまく説明できない
- 抽出しすぎで雑味が出るならフレンチプレスは雑味だらけ?
- 「油分」というのはコーヒーの味にどう影響しているの?
- レモンの香りとか評価されるけど本当に判別できるの?
ただし読んだ直後は「なるほど」と分かった気になったのですが、ほかの人に口で説明できそうもないので、まだうまく消化できていないのでしょう。
でも、これらの「答え」をまとめて詳しく書いたのでは本のネタバレになるので、コーヒーについてより深く知りたい人は、ぜひ本を読んでみてください。
この本自体がじっくりと焙煎された深煎りコーヒーのようで、おいしさの中に苦みやコクもあり、ここまで育ててきた旦部さんのこだわりが伝わってきます。
コーヒーと同じように一回読んだ(一杯飲んだ)だけでは分からないことも多いので、読み方(抽出の方法)を変えてじっくり味わいたいです。
まずは一読目(一杯目)はとてもおいしかったです。ごちそうさまでした。
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