世界三大コーヒー(ブルーマウンテン、キリマンジャロ、コナ)と各ブランド(モカ/マンデリンなど)もマップに追加

せっかく「コーヒー豆 生産国マップ」を作ったのだから、コーヒーに関して世界地図上で場所が分かると楽しい(?)ポイントを追加しました。

コーヒー豆 生産国 Googleマイマップ コーヒー豆 生産国 国旗付き世界地図

また、ブランドごとに記事をカテゴリー分類しています。

そもそも「世界三大コーヒー」とは

日本で一般の人でも聞いたことがあるコーヒー豆のブランド名はこんなところでしょうか?

  • モカ
  • ブルーマウンテン
  • キリマンジャロ
  • コナ
  • マンデリン
  • トラジャ

中でも「ブルーマウンテン」「キリマンジャロ」「コナ」を「世界三大コーヒー」と紹介しているサイトも多いですが根拠は弱いです。

コナコーヒー (Kona coffee) は、アメリカ合衆国のハワイ州のハワイ島西岸のコナコーストで主に栽培されているコーヒーの総称である。ブルーマウンテン、キリマンジャロに並び、コナコーヒーは世界三大コーヒーの一つである。
【注釈】ぴあレジャーMOOKS編集部(編者)『珈琲ぴあ』(電子書籍)ぴあ、2016年9月28日。

コナコーヒー – Wikipedia

「UCC」のサイトでも『「世界三大コーヒー」と称されることも』と表現しています。

「コナ」の生産国は「アメリカ(ハワイ島)」。強い酸味と甘い香りでキリマンジャロ、ブルーマウンテンに並び、「世界三大コーヒー」と称されることも。

コーヒー豆の種類と特徴 | UCC COFFEE MAGAZINE

有名というだけなら「コナ」より「モカ」のほうが日本には馴染みかもしれません。それでも「採れる場所が特定できる」という意味では「モカ」より「コナ」のほうが「三大」として並べやすいかも。

「コーヒー豆 生産国マップ」に赤いピンで表示

ということで、これらにゆかりの場所を「コーヒー豆 生産国マップ」上に「赤いピン 」で表示してみました。

せっかくなので「コーヒー発祥の地」とも言われる「カッファ」も追加。

「コーヒー豆 生産国マップ」上の「赤いピン 」をクリック/タップすると、その場所の情報がマップの左に表示されます。

マンデリン、トラジャ、サントスを追加(2024/1/27)

ブラジルのコーヒー豆ブランド「サントス No.2」を飲んだので、合わせてマンデリン、トラジャもマップに追加しました。

ブラジル産コーヒー豆のブランド「サントス No.2」を飲んでみた(CAPITAL COFFEE)

由来を調べながら飲むコーヒーは味わい深い

コーヒー豆について調べ始めて最初に面白いと感じたのが「モカ」の由来でしたが、ほかの名前についても実際に飲んだ豆と合わせて紹介します。

「モカ」はイエメンにある港町の名前

「モカ」はイエメンにある港町の名前が由来です。

位置的にもイエメンだけでなくエチオピアのコーヒー豆も集散され、出荷されていたため、エチオピア産の「モカ」もあるわけです。

「エチオピア・モカ」のモカはイエメンにある港の名前が由来(アンダンテ)

ただし、現在はコーヒー豆を出荷する港としての機能はない様子。

16世紀当時は、エチオピア、イエメン以外に大きなコーヒーの生産地域はなかったため、コーヒーを船積みする「モカ」はコーヒーの代名詞でもあった。現在、コーヒー豆集散地の機能はなく、漁業と小規模な観光で成り立つ。

モカ – Wikipedia

それでもブランド名として、いまも「モカ」はイエメン産にもエチオピア産にも使われています。

イエメン産の「モカマタリ」を「コーヒーロースト」で焙煎してもらいました

「モカマタリ」は「コーヒー・ルンバ」の歌詞の中にも出てきます。

それは素敵な飲みもの コーヒー モカマタリ♪

「コーヒー・ルンバ」 | 井上陽水 歌詞/コード検索サービス | 楽器.me

また『独特の「モカフレーバー」がある』と聞いて嗅ぐとそんな気もしますが、正直、香りだけで「モカ」と判別するのは私には難しいです。

「ブルーマウンテン」はジャマイカの山

「ブルーマウンテン」というからには山の名前だと思っていましたが、調べるまではジャマイカの山とは知りませんでした。

「ジャマイカ ブレンド」でブルーマウンテン気分を味わう(珈琲や 東小金井工房)

そもそも「ジャマイカ」という南の島に、そんな山があるというイメージもありませんでしたが、地図で見る限り「ブルーマウンテンズ国立公園」はいい感じの高地で、コーヒー生産には向きそうです。

Wikipedia には「ブルーマウンテン」がブランドになった経緯についても書かれていますが、あいまいな個所もあり、話半分で読むといいかもしれません。

ジャマイカにあるブルーマウンテン山脈の標高800から1,200 mの限られた地域で栽培されるコーヒー豆のブランドである。

ブルーマウンテン – Wikipedia

いずれにせよ、希少な豆なことは間違いありません。

特に 2012年10月のハリケーン「サンディ」の襲来、さらに 2013年に「さび病」のまん延があり、2014年には UCC や キーコーヒーも販売休止に追い込まれました。

その後、復活しており、2023年に UCCの直営農園からは豊作が伝えられています。

今年のローズヒルエリアは、2020年からスタートした大規模な土壌の改良や新植・剪定の効果が大きく現れ、近年でも他にないほど豊作です。

2023.11.17『UCC直営農園ローズヒル ブルーマウンテンNo.1』が今年も登場 | コーヒーはUCC 上島珈琲

ようやくブレンドではない 100% の「ブルーマウンテン」が飲めそうです。

2024/1/10 ついに「ブルーマウンテン No.1」をいただきました!

1月9日は「ジャマイカ ブルーマウンテンの日」とのことで、20%増量となっていた「ブルーマウンテン No.1 100」を購入しました。

1月9日「ブルーマウンテンの日」にジャマイカ産「ブルーマウンテン No.1 100」を 20%増量で入手(UCCカフェメルカード)

「キリマンジャロ」はタンザニアの山

「キリマンジャロ」も山の名前という認識はありましたが、タンザニアの北東部にあるとは調べるまで知りませんでした。

タンザニア産コーヒー豆「キリマンジャロ」を味わう(珈琲や 東小金井工房)

さらに「この山で採れたコーヒー豆」と思っていたのですが「キリマンジャロ」は非常に高い山で、採れるとしても「キリマンジャロ」を望む山域となります。

標高は 5895m でアフリカ大陸の最高峰。山域がキリマンジャロ国立公園に指定されている。山脈に属さない独立峰としては世界で最も高いとされる。

キリマンジャロ – Wikipedia

さらに「キリマンジャロ」という名称は、この山域でなくてもいいとのこと。

「キリマンジャロ」というブランドは、キリマンジャロ州やモシ州など北部産のコーヒー豆だけではなく、タンザニア産すべての水洗式アラビカ種コーヒー豆も利用することができる。

キリマンジャロ (コーヒー) – Wikipedia

「キリマンジャロ」という名前だけで判断してはいけないです。

「コナ」はハワイ島にある地域の名前

ハワイ産のコーヒー豆で「コナ」はよく聞く名前です。

ハワイ産のコーヒー豆「ハワイコナ・グリーンウェル」を味わう(CAPITAL COFFEE)

「コナ」はアメリカ合衆国ハワイ州のハワイ島西部の地域の名前であり、その中心地が「カイルア・コナ」になります。

Wikipedia には「コナ」を『世界三大コーヒーのひとつ』と紹介していますが根拠は弱いです。

コナコーヒー (Kona coffee) は、アメリカ合衆国のハワイ州のハワイ島西岸のコナコーストで主に栽培されているコーヒーの総称である。ブルーマウンテン、キリマンジャロに並び、コナコーヒーは世界三大コーヒーの一つである。

コナコーヒー – Wikipedia

いずれにせよ「コナ」で収穫されるコーヒー豆は少なく、通常は「コナブレンド」になるようです。

ハワイ州の法律ではコナで収穫されたコーヒー豆が製品内容量に対し10%以上のものを「コナ・ブレンド」と明記できるとあるので、比較的安価なコナコーヒーは残りの90%は違う品種の入ったコナブレンドといえる。

コナコーヒー – Wikipedia

そんな「コナ」にも等級があり、高い順に「エクストラファンシー」「ファンシー」「No.1」と呼ばれ、最も高品質の「エクストラファンシー」は現地でもなかなか手に入らないほど希少とのこと。一度、飲んでみたくなるのが人情です。

人気のコーヒー豆「ハワイ コナ No.1」をストレートで味わう(UCCカフェメルカード)

「UCC」はハワイに直営農場があるので狙い目なのかもしれません。

「カッファ」はコーヒー発祥の地?

最後に取り上げるのが「カッファ」で「コーヒー発祥の地」とも言われています。

コーヒー発祥の地とされる「エチオピア カッファ」のコーヒー豆を味わう(カルディ コーヒーの旅)

「カッファ(kaffa)」が「コーヒー(coffee)」の語源というと「なるほど」と思いますが諸説あるようです。それでも、ワインを意味していた言葉が由来より「カッファ」語源説のほうが好きです。

「コーヒー」はアラビア語でコーヒーを意味するカフワ(qahwa)が転訛したものである。元々ワインを意味していたカフワの語が、ワインに似た覚醒作用のあるコーヒーに充てられたのがその語源である。一説にはエチオピアにあったコーヒーの産地カッファ(Kaffa)がアラビア語に取り入れられたものともいわれている。

コーヒー – Wikipedia

Googleマップで「kaffa」だけでヒットする場所はありませんが、「Kafa Biosphere Reserve(カファ生物圏保護区)」があります。

公式サイトの中でも以下のように書かれています。

(Google翻訳の結果:)エチオピア南西部にあるカファ生物圏保護区は野生のアラビカ コーヒー (Coffea arabica) の発祥の地として知られています。

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そのため、この場所を「生産国マップ」で紹介したかったのです。

「マンデリン」はインドネシア「スマトラ島」育ち

コーヒー豆を購入し始めて、とにかく耳にするブランドが「マンデリン」でした。

東小金井自家焙煎「すずのすけの豆」でインドネシア産のコーヒー豆「マンデリン トバコ」を購入

その当時、調べたところ「マンデリン」はスマトラ島で採れるコーヒー豆で、スマトラ島にいた部族、マンデリン族が由来と知りました。

インドネシアで栽培されているのは、大半がロブスタ種です。一方、一部の地域では、最高のアラビカ種も栽培されています。その代表は、スマトラ島のマンデリン。スマトラ島にいた部族、マンデリン族から名づけられました。

珈琲 完全バイブル(p.128)

もちろん現在の「マンデリン」と名付けられた銘柄が「マンデリン族」によって作られているというわけではなく『インドネシアのスマトラ島で生産されるアラビカ種のコーヒー』という幅広い定義になっています。

マンデリンとは、インドネシアのスマトラ島で生産されるアラビカ種のコーヒーのこと。

マンデリンとは | コーヒーはUCC上島珈琲

そんな「スマトラ島」は世界で 6番目に大きい島で、日本の面積の 1.25倍もあります。

スマトラ島 – Wikipedia

そのため、お店で「マンデリン」という名のついた銘柄を見かけることも多く、深煎りしても個性が残るようで深めの焙煎で苦めの銘柄も多いですが、浅煎りのものやハニー製法を試したものなど色々あって飲み比べも楽しいです。

「マンデリン」の記事一覧 | コーヒー好き.com

「トラジャ」はインドネシア「スラウェシ島」育ち

インドネシアで「マンデリン」と並んで有名なのは「トラジャ」でしょう。キーコーヒーが「トアルコ トラジャ」で売り出して人気が出たことで日本では広く知られるようになりました。

その後、現在では「トアルコ トラジャ」以外の「トラジャ」銘柄も市場で見かけます。

インドネシア産のコーヒー豆「トラジャ ママサ」を楽しむ(すずのすけの豆)

「マンデリン」が「スマトラ島」なら「トラジャ」は「スラウェシ島」のアラビカ種コーヒーとなります。「スラウェシ島」はインドネシアでは 4番目に大きい島で日本の半分程度です。

スラウェシ島 – Wikipedia

「スラウェシ島」の中でも「トラジャを中心」にと定義している場合もあります。

トラジャとはインドネシア国のスラウェシ島・トラジャを中心として生産されるコーヒー豆のことです。苦味中心の味で、濃厚なコクを持っていて酸味はないのが特徴です。

トラジャ | コーヒー用語辞典

「トラジャ地区」を Googleマップで確認すると「North Toraja Regency」や「Tana Toraja Regency」が「南スラウェシ」にあるので「南スラウェシ」の中心エリアあたりを指すのでしょう。

いずれにせよ「マンデリン」と比べると「トラジャ」銘柄を見かけることは少なく希少な豆です。キーコーヒーが復活させるまで、ほとんど出荷がなかったため「幻のコーヒー」と紹介されることもあります。

「サントス」はブラジルの港の名前

「モカ」が港の名前からと知ったとき、ブラジルの「サントス」も同様の由来と知りました。

それでも「サントス」という銘柄を飲んだことがなかったので取り上げてこなかったのですが、今回、この記事のために「サントス No.2」を買ってきて飲んでみました。

ブラジル産コーヒー豆のブランド「サントス No.2」を飲んでみた(CAPITAL COFFEE)

飲みながら調べたところ「サントス」はブラジルのサンパウロ州にある港湾都市の名前であり、かつてブラジル産のコーヒー豆の多くがこの港から出荷されたことからブランド名になったということです。

さらに気になる「No.2」の定義ですが、これもネット検索するとありました。

No.2 は生豆の等級を表します。ブラジルでは欠点豆の混入量によって厳格に等級を分けています。300gの生豆サンプル中に欠点豆4個以内のものを No.2と評価します。

ブラジル サントス No.2 | コーヒー豆の焙煎・販売 GreenBeans

『欠点豆さえ取り除けば高品質』なのかは微妙ですが、実際に飲んだ限り、おいしくまとまっています。

これで「コーヒー豆 生産国マップ」も完成?

以上を「コーヒー豆 生産国マップ」に追加しました。

これで先日の「コーヒーベルト」の追加とともに「コーヒー豆 生産国マップ」もほぼ完成といっていいでしょう。

「コーヒーベルト(赤道の南北 25度の帯状エリア)」を Googleマイマップ「コーヒー豆 生産国マップ」に追加

紹介数も「多すぎず少なすぎず」ほどよいかと。

コーヒー豆 生産国 Googleマイマップ