せっかくブラジル産ロブスタである「コニロン」を入手したので、ついでにロブスタ生産量で世界第 3位のインドネシアのロブスタも購入して飲み比べてみることにしました。
「インドネシア産ロブスタ種 WIB」とは
今回購入した「インドネシア産ロブスタ種 WIB」がこちら。

インドネシア産ロブスタ種のコーヒー豆を販売しているショップやサイトはいくつかありましたが、100g で 490円 と良心的で、以前から知っていた「014151.com(おいしいコーヒードットコム)」で購入することにしました。
インドネシアで生産されるコーヒーは90%以上がロブスタ種という品種です。丸みのある緑黄色の豆で、独特な麦をこがしたようなクセのある個性的な香りが特徴です。
フレッシュさがなく、酸味が非常に少なく苦味主体で、黒糖のような甘味も感じられます。深煎りにすると強く重たい苦味が特徴。ブレンドにもよく使われます。
別名 WIB-1 、最高級の品質で精製方法は水洗式です。ロブスタ種の中では特級品。酸味は全く無く、独特の香りと苦味を持ちます。
『インドネシアで生産されるコーヒーは 90%以上がロブスタ種』とありますが、「USDA」資料(2024年12月発行)の「2023/24」データで確認しておきましょう。

「ブラジル」は アラビカが 7割近く、「インドネシア」はロブスタが 8割以上です。ロブスタだけなら「インドネシア」は 3位ですし、「ブラジル」はロブスタでも 2位、アラビカでは 1位で、総合1位 のコーヒー大国です。
2023/24 | ||||
コーヒー豆 生産国 | 合計 (千袋) | アラビカ 比率 | ロブスタ | |
1 | ブラジル | 66,300 | 44,900 68% | 21,400 |
2 | ベトナム | 27,500 | 1,000 4% | 26,500 |
3 | コロンビア | 12,760 | 12,760 100% | 0 |
4 | エチオピア | 8,600 | 8,600 100% | 0 |
5 | インドネシア | 8,150 | 1,350 17% | 6,800 |
6 | ウガンダ | 6,400 | 1,000 16% | 5,400 |
7 | インド | 6,060 | 1,667 28% | 4,580 |
また「WIB-1」については、以下のページが詳しかったです。
等級について
WIBは「West Indische Bereiding(西インド式精選)」の略で、オランダ語由来。英語では「West Indies Preparation」。これはウォッシュド(水洗式)の一種で、果肉を取り除いた後、発酵槽で粘液質を洗い流し、乾燥させる方法です。通常のウォッシュドより丁寧な処理が特徴で、ロブスタでは珍しい高品質な精選方法とされます。
-1: グレード1を意味し、インドネシアのロブスタ等級で最高品質。スクリーンサイズ(豆の大きさ)が16以上(直径16/64インチ以上)で、欠点豆が少なく(350gサンプルで欠点が11個以下程度)、均一性が保証されています。
WIB-1 ロブスタ プライベート M | 魅せる焙煎機 NOVO シリーズ
今回の「インドネシア ロブスタ種 WIB」については、インドネシア産というだけで、採れた島、場所、農園といった情報はなく、とりあえず「インドネシアで採れたロブスタ」ということのようです。
「ブラジル コロニン」と「インドネシア ロブスタ」
せっかくなので先日購入した「ブラジル コロニン」と「インドネシア ロブスタ WIB」を比較してみます。

焙煎度が違うのは仕方がないとしても、確かに右の「ロブスタ WIB」のほうがサイズは一回り大きいですね。

やはり「見た目」だけでは「ロブスタ」なのかの判別はつきません。
せっかくなので自宅在庫のあるアラビカ種「タンザニア キリマンジャロ タリメ」とも比べてみました。

袋から取り出したときの香りは明らかに違って「アラビカ種」の香りは甘くさえ感じ、右の「ロブスタ WIB」はやはり焦げ臭い感が拭えません。一方で、やはり見た目の形状ではほとんど区別はつきません。

焙煎後の味と香りでアラビカ種かロブスタ種か区別できますが、生豆で購入時は販売元を信じるしかない、ということかもしれませんね。
焙煎ロブスタ豆のニオイにも味にも慣れた
最初に飲んだ「ロブスタの木」では、今後、もう「ロブスタ」を買うことはないだろうと思っていました。

でも、気になっていた国「コートジボワール」は「ロブスタ」しかないので購入して飲んだ頃から「これはこれであり」と感じるようになりました。

そして、いまでは「ロブスタ」のニオイにも味にも、すっかり慣れ、買うときに抵抗はなくなりました。
もちろん、リピートしてまでは飲まない、という感想は変わっていません。
深煎りでも、そこまでの苦味ではない
こちらが封を切った「インドネシア ロブスタ WIB」。サイズは大きめで、しっかり深煎り。確かに焦げ臭いニオイはしますが、香ばしいとも表現でき、嫌いではありません。

蒸らすと、結構、元気にガスが出て、しっかり膨らみます。

味も、しっかり苦味は感じますが、深煎りのイメージほどではありません。酸味はありませんが、苦味のあとから少し甘みさえ感じることができます。

せっかくなので「ブラジル コニロン」と同時に入れて飲み比べしてみました。同じ 14g ですが、右の「インドネシア ロブスタ」のほうが深煎りということもあり、少しだけ色が濃いです。

どちらも焦げ臭い感じには変わりませんが、交互に嗅ぐと、やはり少し違います。適切に表現できないのがもどかしいですが「コロニン」のほうが淡く甘い香りがあるかも。
そして味ですが、どちらにも酸味はありません。苦味は同じくらいですが、苦すぎることはなく、どちらも苦目のコーヒーが好きな人なら「あり」でしょう。あと余韻で残る甘みは「インドネシア」のほうがあるかも、といった程度で、それほどの違いではありません。
いずれにせよ、やはり「コニロン」は「ロブスタ」であるというのは間違いなさそうです。そして、すっかり「ロブスタ」にも慣れてしまい、「ブラジル コニロン」も「インドネシア ロブスタ」も、最後まで普通に楽しめそうです。
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