世界のコーヒー豆 生産主要国のアラビカ種/ロブスタ比率と種別ランキング 2024(USDA:米国農務省データ)

2025年も「FAOSTAT」のコーヒー豆 生産量データで 2023年ランキングを集計しました。

世界のコーヒー豆 生産量ランキング 2023(出典:FAOSTATデータ 2025年1月抽出)

趣味で各国のコーヒー豆を楽しむときの参考データとしては十分でしょう。

アラビカ種とロブスタの比率は知っておきたい

最新の 2023年ランキングを反映して見やすい「ランキング一覧表」も更新しました。

世界のコーヒー豆 生産国一覧&生産量ランキング表

ただし、たとえばベトナムで生産されるコーヒー豆の品種はほぼ「ロブスタ」であり、逆にコロンビアは 100%「アラビカ種」なので、主要国だけでも「アラビカ種だけ、ロブスタだけのランキング」や「アラビカ種とロブスタとの比率」も知っておきたいところです。

「FAOSTAT」内でも「Arabica」や「Robusta」で項目を内部検索で探していますが、やはり「Green Coffee」より細かい区分のデータはなさそうです。

「USDA(米国農務省)」データを今年も参考

そんな中、昨年、ネットで「USDA(United States Department of Agriculture:米国農務省)」公開の「Coffee: World Markets and Trade」という報告書データを見つけました。

この報告書の最新版(PDF)では、2020年から2024年までの「Arabica」「Robusta」で区分した生産主要国によるコーヒー豆の「Productin(生産量)」データが「Coffee Summary」として公開されています。

2025年1月現在、2024年12月更新の報告書が公開されています。

Coffee: World Markets and Trade(PDF 英文)

この報告書には生産主要国の概要と予測も書かれています。

  • 2024/25 年の概要と予測
    • 中国のコーヒー消費量は過去10年間で約150%増加し、2024/25 には630万袋
    • 世界コーヒー生産量は 17,490 万袋で前年比 690 万袋増加
    • 世界輸出量はベトナムとインドネシアの増加が全体の減少を上回って小幅増加
    • ブラジルはアラビカ種が50万袋増の4,540万袋、ロブスタは40万袋減
    • そのためブラジルの総生産量は 6,640万袋で前年比はわずか 10万袋増加
    • ベトナムは 95%近くがロブスタで、総生産量は 3,010万袋で 260万袋回復
    • コロンビアのアラビカ種は 10万袋増の 1,290万袋
    • インドネシアは 280万袋回復して 1,090万袋。特にロブスタは270万袋回復
      ※ インドネシアのロブスタは 2023/2024 に大きく落ち込んでいた。

「USDA」について「日本事務所」に以下ような説明があります。

米国農務省(USDA)日本事務所は、アメリカの農林水産物・食品の普及拡大に努めております。

海外農務局(FAS)はアメリカ産農産物の貿易促進、新市場の開拓、国際市場での地位の向上、食糧および技術支援に取り組んでいます。

米国農務省について – USDA Japan – 米国農務省 日本事務所

今回の「Coffee: World Markets and Trade」は「USDA」の「FAS」が発行したものです。2004年から半年に一度、発行・公開し続けているため信頼性は高いと考えています。

「USDA」と「FAO」の 2023年データで比較

単位の「袋」を「60kg」で換算して「FAO」と 2023年データで主要生産国の「コーヒー豆 生産量」を比較。結果は「同じ」数字ではありませんが「ケタ違いではない」です。各国のデータ元や集計期間の違いもあるので許容範囲とします。

USDA 2023/24FAO 2023
主要生産国千袋トントン
Brazil66,3003,978,0003,405,267
Vietnam27,5001,650,0001,956,782
Colombia12,760765,600680,858
Indonesia8,150489,000760,192
Ethiopia8,600516,000559,400
Uganda6,400384,000384,000
Honduras5,000300,000384,361
India6,060363,600332,848
Peru4,000240,000369,551
Mexico3,870232,200181,706
Guatemala3,420205,200225,327
Nicaragua2,360141,600143,337
China1,800108,000108,000

今回も「USDA」のデータに「中央アフリカ」「ギニア」は出てきません。本当のところはどうなのか、気になるところですが手持ちの情報では分かりません。

「アラビカ種ランキング」と「ロブスタ ランキング」

とりあえず「USDA」資料(2024年12月発行)の「2023/24」データで「アラビカ種だけ」のランキングは以下の通り。

Arabica
Production
2023/24
千袋
比率累積
1Brazil44,90046.6%47%
2Colombia12,76013.2%60%
3Ethiopia8,6008.9%69%
4Honduras5,0005.2%74%
5Peru4,0004.2%78%
6Mexico3,3253.4%82%
7Guatemala3,3003.4%85%
8Nicaragua2,2002.3%87%
9China1,8001.9%89%
10India1,4801.5%91%
11Indonesia1,3501.4%92%
12Costa Rica1,1001.1%93%
13Vietnam1,0001.0%94%
14Uganda1,0001.0%95%
15Papua New Guinea9301.0%96%
Other3,6344.1%100%
Total96,379100%

同様に「2023/24」データで「ロブスタだけ」のランキングは以下の通り。ロブスタだけでもブラジルは全体の 3割を占め、ベトナムに次いで 2位です。

Robusta
Production
2023/24
千袋
比率累積
1Vietnam26,50037.0%37%
2Brazil21,40029.9%67%
3Indonesia 6,800 9.5%76%
4Uganda5,4007.5%84%
5India4,5806.4%90%
6Malaysia1,3301.9%92%
7Cote d’Ivoire1,3251.8%94%
8Thailand7501.0%95%
9Tanzania6000.8%96%
10Mexico5450.8%97%
Other2,3953.3%100%
Total71,625100%

総合ランキングに品種別のデータを追加

そして「USDA」資料(2024年12月発行)の「2023/24」データで「総合ランキング」に「アラビカ種」「ロブスタ」のデータを張り付け、抜け部分も差分から予想して太字で入力して「アラビカ比率」も計算しました。

2023/24  
コーヒー豆
生産国
合計
(千袋)
アラビカ
比率
ロブスタ
1ブラジル66,30044,900
68%
21,400
2ベトナム27,5001,000
4%
26,500
3コロンビア12,76012,760
100%
0
4エチオピア8,6008,600
100%
0
5インドネシア8,1501,350
17%
6,800
6ウガンダ6,4001,000
16%
5,400
7インド6,0601,667
28%
4,580
8ホンジュラス5,0005,000
100%
0
9ペルー4,0004,000
100%
0
10メキシコ3,8703,325
86%
545
11グアテマラ3,4203,300
96%
120
12ニカラグア2,3602,200
93%
160
13中国1,8001,800
100%
0
14タンザニア1,350750
56%
600
15マレーシア1,3300
0%
1330
16コートジボワール1,3250
0%
1325
17コスタリカ1,1001,100
100%
0
18パプアニューギニア980930
95%
50
19ケニア775775
100%
0
20タイ7500
0%
750
合計168,00487,886
52%
76,646

これでコーヒー豆の生産国でアラビカとロブスタに関して以下のことが言えるでしょう。

  • 最近ではコーヒー豆の生産量はアラビカとロブスタがほぼ半々。
  • 総合 1位のブラジルはアラビカが 7割近くで、アラビカだけでも 1位で全体の半分。
  • ブラジルはロブスタだけでもベトナムに次いで 2位でロブスタ全体の約 3割。
  • 総合 2位のベトナムはほぼロブスタで、ロブスタだけなら 1位で全体の 4割近く。
  • コロンビア、エチオピア、ホンジュラスはアラビカ100%。アラビカだけならブラジルに次ぐ 2位、3位、4位。
  • インドネシアは約 8割がロブスタで、ロブスタだけなら 3位。ただし 2023/2024 はロブスタを大きく減らした。
  • ロブスタだけならウガンダ、インドが 4位、5位。5位まででロブスタ全体の約 9割。

以上のことをグラフでまとめてみました。

これらの情報を踏まえて、今後も「コーヒー豆 生産国」に注目していきたいです。