国際統計・国別統計専門サイト「GLOBAL NOTE」が 2024年1月29日に「世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング」を「2022年」の直近データに更新しました。
2022年の世界のコーヒー豆生産量 国別比較統計・ランキングです。各国のコーヒー豆生産量と国別順位を掲載しています。
世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング・推移 – GLOBAL NOTE
「中央アフリカ共和国」「ギニア」が大躍進?
メモしていた「GLOBAL NOTE」の 2021年ランキングと比べてみました。
- 生産量の「世界計」は 2021年より 約 3% 増加
- 1位は「ブラジル」で全体の約 3割も変わらず
- 1位から 6位まで同じ。6位までで全体の約 7割
- 10位「中央アフリカ共和国」は 2021年の 37位
- 11位「ギニア」も 2021年の 23位から大躍進
- 15位までで 9割を超え、それ以降は 1%以下
なんといっても「中央アフリカ共和国」が 10位に登場でビックリ。しかも前年度の 30倍(ギニアも 6.5倍)は数字の信ぴょう性が問われかねません。
そこで「出典・参照」となっている「FAO(Food and Agriculture Organization)」のデータを確認しました。
「FAO」によると両国とも数年前から急増
「FAO」の統計資料「FAOSTAT」でデータ比較「Compare Data」を使って以下の条件で抽出。
- https://www.fao.org/faostat/en/#compare
- Select a timerange:2015-2022
- Groups:Production
- Domeins:Crops and livestock products
- Area:Central African Republic、Guinea、Guatemala
- Element:Production Quantity
- Item:Coffee, green
グラフにすると「中央アフリカ共和国(青)」は 2018年、「ギニア(黄)」は 2019年から急激に増えています。 前回 10位で今回 12位の「グアテマラ(赤)」は横ばいで 2国の伸びが分かります。
どうやら「中央アフリカ共和国」も「ギニア」も「FAO」のデータでは本当に増えているようです。ただ、このデータから「増えた理由」は分かりません。
急激とはいえ、この推移なら「1年でいきなり 30倍」よりは理解できます。それでも「さび病」や「サイクロン」などで「急減」するのは分かりますが、ここまでの「急増」は驚くべき数字です。
いずれにせよ「FAO」が今回 2024年1月の更新で「中央アフリカ共和国」と「ギニア」のデータを大幅修正したのでしょう。「GLOBAL NOTE」以外のサイトでも 2023年1月発表の「FAO」集計で「中央アフリカ」は 37位になっています、
世界のコーヒー豆生産量ランキング2021( 2023年1月発表) – 松浜珈琲焙煎所|芦屋
順位 国名 地域 生産量(t) 世界計構成比 23 ギニア アフリカ 40,273 0.41% 37 中央アフリカ アフリカ 10,062 0.10%
「FAO」のデータから「トップ15」の表を作成
この「FAO」のデータで「世界 コーヒー豆 生産量」の 1位から15位までを表にしました。15位までで 90%を越えるからです。
こうやってみると、やはり「ブラジル」の 1位が目立ちます。
やはり 10位と 11位のコーヒーは飲んでみたい
「中央アフリカ共和国」と「ギニア」はアフリカの中央部にあり、「コートジボワール」にように「ロブスタ」が主な品種と予想できるので日本での流通は極めて少ないでしょう。それでも 10位、11位となると飲んでみたくはなります。
中央アフリカ共和国
「中央アフリカ共和国 コーヒー」で検索しましたが詳しい情報はほとんどありません。
農業人口は全体の80%、農業生産は国内総生産の40%を超え、綿花、コーヒー、タバコの3品目の輸出が、輸出全体の20~30%を占める基幹産業のひとつになっています。
中央アフリカ共和国の旅行情報 | アフリカ旅行の道祖神
位置的には、まさに「アフリカの中央」です。
国旗はこちら。
国内情勢がよくないという情報はいくつか見つかりますが、そんな中でコーヒー豆の生産量が急激に増え、ここ数年維持できている理由が分かりません。
この国では長年の断続的な紛争が、平均寿命、妊産婦死亡率、栄養失調、医療の不足など、世界でも最も深刻な状態に拍車をかけてきた。国連の最新報告によると、国民の約30%が難民または国内避難民であり、60%以上に人道援助が必要とされている。
誰にも知られない中央アフリカ 暴力と避難が人びとの日常に(2022/6/8) | 国境なき医師団
さらに英語で検索すると、こんなページもありました。「2019年の生産量は約 10,000トン」「品種はロブスタ」「アフリカでも最貧国のひとつ」。とても輸出量が 10位になるようには思えません。
The Central African Republic had a coffee production of about 10,000 tons in 2019. Although coffee output there has varied considerably throughout the last years, its production has tended to drop by 10,000 tons during 1970 – 2019. It is important to note that CAR is Africa’s one of the poorest countries, therefore, the only coffee variety you will discover there is Robusta.
Central African Republic Coffee – Exploring the Best Alternatives
いずれにせよ「中央アフリカ共和国」の情報が少なすぎるので、引き続き調べてみたいと思っています。
ギニア共和国
次に「ギニア」ですが、位置的には「西アフリカ」で「コートジボワール」とも南東で国境を接しています。
国旗はこちらですね。
主に「ロブスタ」が栽培されている、と紹介するページはありました。
独立後の政治的混乱や工業化によりコーヒー産業はあまり発展していませんが、それでもバナナやパイナップルなどのフルーツと並んで、主要な輸出品目の一つとされています。
ギニア | 珈琲タイム
でも、やはり急増した理由は分かりません
バナナ、コーヒー、パイナップル、パーム油の生産は1980年代半ばにはほぼ壊滅しており、農民は輸出農業から自給農業へと回帰してしまった。その後も農業生産は低調な状態が続いている。
ギニア – Wikipedia
さらに英語で検索すると「ギニアで栽培されるのはアラビカ種が 95%」というページもありました。
Guinea has coffee plantations in 15 of its provinces (Eastern Highlands, Western Highlands, and Simbu). At least 95% of the coffee grown in Guinea is the Arabica variety, which is produced at high levels and is of very high quality. The Robusta variety is produced in small quantities in the Sepik plains and around Milne Bay. There are more than 210,000 hectares of coffee bushes in Guinea. The Western Mountains have the highest level of coffee production, followed by the Eastern Mountains, Simbu cultivates more Robusta beans and has a lower production.
Google翻訳『ギニアには、15 の州 (東部ハイランド、西部ハイランド、シンブ) にコーヒー農園があります。ギニアで栽培されるコーヒーの少なくとも 95% はアラビカ種であり、高レベルで生産され、非常に高品質です。ロブスタ種はセピック平原とミルン湾周辺で少量生産されています。ギニアには 210,000 ヘクタール以上のコーヒーの木が植えられています。コーヒー生産量が最も多いのは西部山地で、東部山地がそれに続きます。シンブではロブスタ豆の栽培が多く、生産量は低くなります。』
Coffee from Guinea | Cafendo.com
でも、これって「パプアニューギニア」の情報が混ざっているかもしれません。「シンブ州」「ミルン湾」は「パプアニューギニア」にあって「ギニア」には見当たりません。「パプアニューギニア」であれば「高品質のアラビカ種」というのも想像はできます。
いずれにせよ「ギニア」についても、引き続き調べてみたいと思っています。
「FAO」データを使って自分で集計したい
いずれにせよ「FAO」のデータがあれば自分で「世界のコーヒー豆 生産量」の総合ランキング集計もできそうです。いまは時間がないので週末にでもやってみましょう。